2015年11月13日

ククメリス

イチゴの天敵利用で、ハダニ・アブラムシについては技術が確立していますが、スリップス(アザミウマ)類については、まだまだ開発の余地があります。
果菜類のスリップスの防除に使われている天敵昆虫は、スワルスキーカブリダニやリモニカスカブリダニ・タイリクヒメハナカメムシなどがありますが、イチゴ栽培において利用するには、生育に必要な最低気温や、イチゴ株上で産卵・孵化出来るのか?という問題があり、利用できない(しにくい)状況にあります。
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いちご栽培で、スリップスを対象に使用されている天敵農薬の中で一番多いのは、ボタニガードESだと思われますが、ボタニガードESは化学農薬同様「散布」という作業が必要ですので、省力化にはなりません。ミヤコカブリダニやチリカブリダニを放飼している圃場では、それらに影響のない(少ない)化学農薬を選んで散布する事が多いですので、その化学農薬に定められた散布回数以内に収めるには、ボタにガードなどの散布回数に制限のない天敵製剤などに頼るしかありません。

そういった中で、オンシツツヤコバチやチリカブリダニに次いで農薬登録を取得したククメリスカブリダニが、改めて見直されてきました。
27年度作において、ククメリスを導入するいちご農家さんが増えてきました。今までも、一部のいちご農家さんにご利用いただいていましたが、徐々に(ホントに徐々に)、口コミで増えつつあります。
残念ながら、ククメリスカブリダニは、チリカブリダニやミヤコカブリダニによるハダニ防除のような高い効果は望めません。
チリやミヤコを放飼すると、時には「薬剤散布をほとんどしなかった」という効果が得られます。
ククメリスをイチゴハウスに放飼しても、スリップスの害を抑えきることは不可能でしょう。
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なのに、「どうしてククメリスを放飼するのか?」
ククメリスは、スリップス類の1令幼虫しか捕食できません。スリップスの2令幼虫や成虫は、ククメリスには身体が大き過ぎて太刀打ち出来ないようです。ですので、成虫が施設外から飛来してきても、その被害を抑えることは無理です。近年、サンサンネットe-レッド等の防虫ネットを施設に展張する様になり、春期のスリップス成虫の侵入量を減らす総合防除(の考え方)が進んできたことにより、
・捕食量の少ないククメリスでも、そこそこの防除効果が期待できる。
・ククメリスを放飼することで、春期のスリップスの増加スピードが抑えられる。
・薬剤の影響が、チリやミヤコとほとんど同じである。
理由で、「春のイチゴ果実の収穫繁忙期に少しでも、農薬散布の手間が省けるのであれば使う意義がある。」と考える農家さんが増えてきたのでしょう。

ミヤコカブリダニ、チリカブリダニの体系によるハダニ防除、コレマンアブラバチによるアブラムシ防除では、放飼後の薬剤散布がほとんど必要ないくらいの防除価を示すことがありますが、ククメリスカブリダニによるスリップス防除は、ほぼ必ず農薬散布が必要となります。しかし、その回数を減らすことが可能ならば、導入の意義はあるでしょう。
しっかりとした、試験は行っておりませんが、ククメリスを放飼した農家さんに伺うと、
「スリップスの増え方がゆっくりになって、慌てて農薬を撒かなくても被害の拡大が少なくなった。」 
「農薬散布した後のスリップスの増え方がゆっくりになった。」
と、感想を頂きました。

ただし、この感想を頂いた方々の放飼時期は秋。
春放飼では、「全然効かない。」という方が圧倒的です。
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考えられるのは、
1. 秋に放飼することで、ククメリスは花粉やコナダニなどを餌源として増殖し、生息頭数が多くなることで、春期のスリップス類の侵入増殖に数で対抗する。
2. 秋期に放飼することで、厳寒期のスリップスの増殖が遅い時にハウス内のスリップスを食べ尽くしてしまい、春は施設外より侵入してきた個体だけになるため、増殖が遅く感じられる。
の2点です。私としては1案だと思うのですが、いかがでしょう?

そのようなこともあり、この11月中旬くらいまでにククメリスを放飼すると、春のスリップスの増殖が抑制されます。

ただし、以前あった出来事なのですが、
ククメリスを増やすために、その餌になるコナダニを増やそうと、ハウス内にくず米やフスマを大量に入れたところ、コナダニが大量発生しすぎてしまい、イチゴ果実に付着(寄生ではないと思う)してしまう事例がありました。
コナダニであっても、果実についていればお客様より「虫が付いている」とクレームの原因になりますので、お気をつけ下さい。


そういったわけで、イチゴ栽培でのククメリスの利用が増えているのですが、
本年、アリスタライフサイエンス社から発売になった「リモニカ=リモニカスカブリダニ」の効果次第では切り替わってしまうんでしょうか?

弊社では、今作のイチゴで、アリスタさんと共に、リモニカのより高効率な効果を出すための試験を開始しています。
ククメリスと同じ様に秋放飼がいいのか?
それとも、春の放飼で十分間に合うのか?
期待が高まっております。

より高い防除効果をあげられる放飼時期・放飼量が判明することをご期待ください。
それまでは、「ククメリス」に活躍してもらおうと思っています。


さて、今夜はジャパニーズウイスキー第3弾
これが本命です。

イチローズモルト ダブルディスティラリーズ。
これこそ、見つけた時に買っておかないと次はないかと、、、
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"スモーキー"さでは、ミズナラウッドリザーブ(MWR)の方がありますね。
グラスを回して香りを開かせたら、甘みを感じました。
美味しいウイスキーです。
posted by Joe夢 at 20:54| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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