2018年12月01日

第2回IPM技術指導者養成研修

11/27 標記の研修を受けてまいりました。
IPMというと、施設栽培の作物での事と考えがちですが、農作物の栽培全てで行われなければなりません。
今回は、露地野菜(にんじん)圃場でのお話です。

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もう何年も開催されているIPM技術指導者養成研修。毎年、JA三島函南さんの露地野菜指導担当と静岡経済連の技術コンサルタントとの研究成果が発表されています。今年は、プラスして県農林技術研究所(農業試験場)の先生も加わって、土着天敵の保護などを説明戴きました。

で、圃場視察へ。
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以前はキャベツ畑でしたが、今年はにんじんが栽培されていました。
(去年もそうだったらしいのですが、去年はこの研修は欠席してました。)
土着天敵に影響の少ない薬剤を使用している圃場です。

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なのですが、
JAさんによると、農家さんが我慢できなくてカーバメート系やネオニコも時々散布されているらしい。

まずは、ピットフォールトラップにかかった虫の調査。
地徘性の天敵も回収出来ます。ただ、クモ類はカップの側面を登って逃げてしまうため、薄い界面活性剤をカップの中に入れておくそうです。
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すでに11月下旬ですので、1週間でトラップされた虫は、あまり多くありませんでしたが、オサムシの仲間とクモ、アリなどが入っていました。

次に、参加者全員でにんじん畑の中の害虫とその天敵類を探しました。
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今回見つかったのは、ウワバの仲間とその寄生蜂。
画像の中心近くにある白いものが、ウワバがトビコバチの仲間に寄生されて、繭を作りかけて死んでしまったものです。
その右横に、まだ元気?なウワバがいます。

そして、この寄生蜂については、事前に農林技術研究所でサンプルを採集していたものを見せて戴きました。
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卵の時に、トビコバチに卵をひとつだけ産み付けられたウワバは、蛹化直前まで生きて、その体内でトビコバチの幼虫を育てます。
トビコバチの卵は一つだけなのですが、多胚性(ひとつの受精卵が分裂して2個以上の胚が発生する現象)のために2000頭以上の幼虫がウワバの中で育ちます。そして、ウワバの蛹化直前に大きく育ち、ウワバの体内はトビコバチの蛹だらけになってしまいます。
当然、その時点でウワバは死亡。繭も完全に作られずに終わります。

画像はボケていますが、ブツブツしているひとつひとつがトビコバチの蛹なのだそうです。
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で、どひゃーーっと、
トビコバチが羽化。
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ウワバの体内からトビコバチの成虫が飛び出す場面は見たくないな〜〜。
以前、ナミテントウの蛹から寄生蜂が出てくる現場に出くわした時は、衝撃的でした。
映画のエイリアンみたいな感じ。 寄生者は英語だとParasitesですけどね。

今回のIPM技術指導者養成研修の参加者は。10月末に行われた「いちごのIPM」の研修と比べて半分以下の人数のようでした。
静岡県内において、にんじんの栽培は少ないかもしれませんが、農薬メーカー、JA、卸商のIPMの意識はまだまだ施設に偏っているのかもしれないですね。
posted by Joe夢 at 15:27| 静岡 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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